プレシーズンマッチ 日本IBMビッグブルー 2016年6月19日

横河武蔵野アトラスターズ

日本IBMビッグブルー

62

12

T G PG DG T G PG DG
5 4 0 0 33 1st 0 0 0 0 0
5 2 0 0 29 2nd 12 2 1 0 0

武蔵野陸上競技場 14:00キックオフ

熱く激しい闘い、Atlastars激勝!

ラグビーフェスティバル in むさしの15thのメインイベントとして武蔵野陸上競技場で行われた日本IBMビッグブルーとのオープン戦。試合前には武蔵野市市長の挨拶が行われ、両チームの間に市長が入り記念撮影も行われた。

オンとオフ、誰しもがどこかで持っているもの。アトラスターズの選手達は試合直前の練習で「スイッチオン!スイッチオン!」の声と共にオンになる。日頃は気さくで明るい選手ばかりだが試合になった瞬間から変わる。それでも、先週福岡選手が話をしていた通り「相手がラフに来てもクリーンに試合で返す」というチーム。そうは言っても鍛え上げられた肉体で激しくぶつかり合うのがラグビーであり、その選手たちがトップスピードでぶつかり合う時の荷重量は想像を遙かに超えるものだろうし、その激しさは聞こえてくるその瞬間の音からも伝わってくる。試合後に栗林主将は「ラグビーなので(試合中エキサイトすることも)あるけれど、相手が熱く来ても僕らは冷静でいなくちゃいけなかった、同じように熱くなってしまった。今日はフェスティバルっていうことで子供達も多かったので余計に。その部分は変えていかないとで反省点です。原因はいろいろあっても合わせないで僕らのラグビーをやっていきたい」と語っていた。

そういう激しさもあったこの日の試合、後半に1トライ取られるまでは圧倒的で完封勝ちするのではと思うくらいの圧勝劇だった。モールから高田選手がトライを決めたのを皮切りに、圧巻だったのはこの日4トライをあげた西選手。開始15分、自陣10mのからスクラムハーフ久保選手からのロングパスを受け相手選手を華麗なステップで交わし、最後タックルに来る選手も突き放し独走トライ。場内も盛り上がったし、その後もその期待感からか西選手にボールが渡るだけで期待感から場内が湧いていた。後半終了間際でも、長尾選手のパスキックをダイレクトキャッチしトライを奪い試合後にその話を聞くと「あの時はアイコンタクトで、アドバンテージも出ていたし最後ワンプレイくらいだったので遊び心みたいなものです」と笑顔で応えてくれた。

前半35分にはラックから栗林主将が走り込みトライを決めた。トライを決めた写真以外にタックルに入られている写真を見ると足元から入られようと背後から入られようと足に根が生えているかのごとく跳ね返し、その姿はそれだけの矢を撃たれようとも倒れることのない武蔵坊弁慶のようにも見えた。

栗林主将だけでなく、これまでキックオフ合宿から現在に至るまでで選手の見た目の印象が変わってきた。激しいプレイが続き顔に傷などが増えていっているだけでなく、ある選手は体が締まり、ある選手は逆にビルドアップされていっている。もちろん全てではないが、激しいタックルにあいながらも倒されずどころか、ジャージを引っ張られ引きずり倒されそうな場面でも、軸がぶれることなくそのまま突き進んでいっているように見えた。

またこの試合で杉原選手のタックルが危険とみなされ、シンビンを受けたがその瞬間の写真(ボケていて本来ならカット、敢えて掲載させて頂きます)を見るとタックルそのものが危険であったようには実際の場面でも感じなかった。取られ方、見られ方によると試合後に聞いたが、いろいろなタイミングが重なり入った時に相手選手を担ぎ上げたような形になったように思う。その際にも他のメンバーがすぐに寄り添い、もみ合いになりそうになった場面もあったが杉原選手を守ろうとする他の選手たちが強く印象に残る。

それは逆の場面でもあり、後半13分にラックから抜け出したスタメン2試合目の同じ新人の久保選手が初トライを決めた瞬間もすぐに他選手が駆け寄り祝福していたが、その時にも通じる。その他でもチームが掲げる「Brother in Arms」を感じる場面が多々あり、チームのいい雰囲気、仲間意識の強さを感じさせてもらえる試合となった。

その他にも大森選手、坂野選手が決めるなど結果は62対12の快勝。後半相手に1トライ取られるまでの勢いがあったが流れが変わった時間帯もあった。栗林主将は「嫌な形でトライを決められ、IBMはそれに乗り、こっちは受けてしまい相手の時間になってしまった。そういう時のメンタル部分の切り替えも課題」と快勝を喜ぶだけでなく課題を挙げ、次に繋げてより強く、より上を目指す姿勢を示す。「一週間おきの試合は本当にきついし、課題と言ってもその中で完璧にしていくことは難しい。先週の栗田工業も今週のIBMもリーグ戦が始まればまた違ってくるし、こちらも今年の横河は違うというのを見せながら、もっと仕上げていきたい」と語った。

熱く激しかった試合も終了すればノーサイドでスイッチはオフになる。両チームの選手たちが握手を交わし、ゲートで試合直後にも関わらず笑顔でお客様を見送り、普段の優しさ溢れる姿に戻っていた。

松村ヘッドコーチはエキサイトする場面については「最終的には冷静にならなくてはだけれど、熱くならないとできないこともあるので。ペナルティを取られなければいい」と語り「(快勝でしたけど)、アタックでいい形が出ていたけれど、良くない点もいっぱい出た。勝ててよかったけれど、まだまだ、まだまだです」と笑顔で締めた。

6月20日に発表されたが横河武蔵野アトラスターズはクラブチーム化をすべく、NPO法人への申請がなされた。そこにはチーム強化は勿論、地域貢献も含めジュニア、女子などのカテゴリーのチーム作りが予定されている。より魅力あるクラブチームを目指すべくトップチームとなる今の横河武蔵野アトラスターズがより強く、より熱く、より魅力が増していく。そういう姿をイメージし、転換期に入ったチームのこれからが楽しみでたまらない。